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建築設備設計の仕事とは?空調・電気・給排水の役割を解説

  • 執筆者の写真: design H
    design H
  • 4月12日
  • 読了時間: 4分

更新日:4月22日


建築設備設計の仕事とは?空調・電気・給排水の役割を解説
建物はただの「箱」ではなく、人が安全に、快適に使えるように多くの設備が備えられています。建築設備設計とは、そんな建物の“内側”をつくる仕事です。空調で空気を整え、給排水で水を運び、電気で明るさや動力を供給する。これらを適切に設計しなければ、建物は使い物になりません。本記事では、設備設計者の業務内容から各設備の役割、仕事の流れまで、初心者にもわかりやすく解説します。



設備設計者の主な業務内容

設備設計者の主な仕事は、「建物を快適かつ安全に使えるように、空調・給排水・電気などの設備を設計すること」です。設計図面の作成だけでなく、施主や建築家との打合せ、現地調査、法律や基準の確認、コスト管理まで含まれます。たとえば、マンションを設計する際には「水の使用量」や「電力のピーク負荷」などを事前に想定し、必要な配管や電気容量を計算する必要があります。


最近はBIM(Building Information Modeling)を使った3D設計や、省エネ法への対応、省スペース設計も求められ、技術の幅が広がっています。

設備設計者の主な業務内容





空調設備の設計とは

空調設備の設計とは、建物の中を「夏は涼しく、冬は暖かく、空気はきれいに」保つための仕組みを作る仕事です。具体的には、エアコンの種類(パッケージ型やセントラル方式など)、風の流れ(気流)や温度分布をシミュレーションして、どこに吹出口や吸込口を設置するかを決めます。たとえば天井が高い体育館では、床付近に温風が届くようにファンを併用する設計が必要です。


近年は、CO₂削減やZEB(ゼロエネルギービル)に対応した省エネ空調設計が主流で、ヒートポンプ式空調や全熱交換換気システムの採用が増えています。

空調設備の設計とは



電気設備の設計とは

電気設備の設計では、建物内の「照明・コンセント・空調・通信・非常用電源」などをどこに、どれだけ配置するかを計画します。たとえば、オフィスビルでPCや照明の使用が多い場合、配線が過熱しないように分電盤を複数設けるといった工夫が必要です。また、緊急時のために非常灯や発電機の設置も行います。


最近では、ICT機器の普及によるLANやWi-Fiの計画、太陽光発電・蓄電池との連携、スマート制御(IoT)など、扱う領域が大きく広がっています。エネルギーの見える化(BEMS)や自動制御によって効率的な電力利用が可能になり、省エネ法にも対応できます。

電気設備の設計とは





給排水・衛生設備の設計とは

給排水設備設計では、「どこにどのくらいの水を供給し、どのように排水するか」を考えます。キッチンやトイレ、洗面、浴室、さらに非常用の手洗い場など、使用用途によって給水量や排水条件が異なります。たとえば、5階建ての建物では上階になるほど水圧が落ちるため、加圧ポンプの設計や水槽の位置を工夫します。


また、排水についても、においや逆流を防ぐ「トラップ」や「通気管」の設計が必要です。近年では、感染症対策として非接触式水栓の導入や、災害時に備えた非常用トイレや貯水槽の設置にも注目が集まっています。

給排水・衛生設備の設計とは





設備設計の仕事の流れ(計画~竣工後まで)

設備設計の仕事の流れ(計画~竣工後まで)

建築設備設計の仕事は、建物が完成するまでの全フェーズに関与します。まず基本計画フェーズで建物用途や規模に応じた設備方針を立案します。次に実施設計で、空調や配線、配管の詳細なレイアウトを図面化。施工段階では、工事業者への指示・設計内容の確認・現場立会いを行います。


竣工後も、竣工図面の作成や設備の試運転・性能確認、さらに不具合対応や運用マニュアルの整備といった「設計者としての責任」が続きます。最近では、建物のライフサイクル全体を見据えて「設計→施工→運用→改修」まで一貫してデータを活用する「デジタルツイン」の導入も進んでいます。







まとめ|建築設備設計は建物の“見えない力”を支える仕事

建築設備設計は、空調・電気・給排水といった「目には見えにくいが生活に直結する機能」をデザインする、極めて重要な仕事です。建物が安全に、快適に、そして効率よく使われるためには、設備設計者の技術と判断力が欠かせません。

図面作成や法令遵守はもちろん、近年では省エネやスマート化、災害対策といった新たなテーマにも対応する必要があり、設計者に求められる役割はますます広がっています。

これから設備設計を学びたい方も、キャリアを深めたい方も、まずは基本の業務と設備の特徴をしっかり理解することが第一歩です。目に見えないけれど欠かせない ――そんな設備設計の世界に、あなたも飛び込んでみませんか?





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