「電気設備設計の仕事って、毎日どんなふうに進むの?」「実際のところ、何がおもしろいの?」求人票やスキルの説明だけでは、働くイメージはなかなかつかめないものです。この記事では、電気設備設計者の“リアルな1日”をタイムスケジュールで追いながら、この仕事ならではのやりがい、そして大変なところまで、包み隠さずご紹介します。転職やキャリアチェンジで「自分に合うかな?」と考えている方の、判断材料になればうれしいです。

そもそも電気設備設計者はどんな仕事?

電気設備設計者は、建物の“電気の仕組み”を計画し、図面に落とし込む専門職です。受変電・幹線・照明・コンセント・通信・防災など、暮らしや仕事を支える電気設備を、安全性・使いやすさ・省エネ性を考えながら設計します。普段は目に見えない部分ですが、建物の機能と安全を根っこで支える、なくてはならない仕事です。

電気設備設計者のリアルな1日【スケジュール例】

働き方や担当案件によって1日の流れは変わりますが、ここでは一般的な一例をのぞいてみましょう。

9:00 | 1日の段取りとメール確認

まずはメールやチャットを確認し、その日にやることを整理します。設計は複数の案件が同時に動くことも多いので、優先順位を決めて“今日のゴール”をイメージするところからスタートします。

9:30 | 図面作成・設計検討(集中タイム)

午前中は、頭が冴えているうちに集中作業。CADやBIMで図面を描いたり、受変電や幹線の容量、照明の配置や照度を検討したりします。「この部屋には何がどれだけ必要か」を一つひとつ積み上げていく、設計の核となる時間です。

12:00 | 昼休み

しっかり休んで頭をリセット。午後の打ち合わせに備えます。

13:00 | 打ち合わせ・調整

意匠設計・機械設備設計の担当者や、施主、現場とのすり合わせ。電気設備は他分野と密接に関わるため、「配線ルートが梁とぶつからないか」「機器の電源は足りるか」といった調整が欠かせません。オンライン会議で進めることも増えています。

15:00 | 計算・図面修正

打ち合わせで出た指摘や変更を、図面と計算書に反映します。細かな修正の積み重ねが、現場でのトラブルを防ぐ品質につながります。

17:00 | チェックと翌日の準備

その日の成果を見直し、抜け漏れがないか確認。翌日のタスクを整理して、1日を締めくくります。

働き方によって、1日はこう変わる

近年はリモートワークや業務委託、自由勤務制といった働き方も広がっています。その場合、通勤時間がなくなり、集中できる時間帯に合わせて仕事を組み立てられるのが特徴です。地方に住みながら都市部の案件に関わる、といった働き方も珍しくありません。

アッシュくんメモ:1日の中身をよく見ると、“ひとりで描く時間”と“みんなとすり合わせる時間”の両方があるんだ。黙々と図面に向かうのも、チームで最適解を探すのも、どっちも設計のだいご味だよ。

電気設備設計の「やりがい」5つ

① 自分の設計が、建物として街に残る

自分が描いた図面が、実際の建物として形になる。完成した建物の前を通るたびに「これ、自分が関わったんだ」と誇らしくなる。スケールの大きな達成感は、この仕事ならではです。しかも建物は何十年と使われ続けます。自分の設計が長く社会に残り、たくさんの人の毎日を支えていく。そう考えると、一枚の図面にも自然と力が入ります。

② 目に見えないところで、人の暮らしと安全を支える

電気設備は普段は意識されませんが、照明・空調・防災など、快適さと安全の土台です。“縁の下の力持ち”として社会を支えているという手ごたえは、静かで確かなやりがいになります。停電しない、暗くならない、火災を素早く知らせる。「当たり前が当たり前に続く」ことの裏には、電気設備設計者の緻密な仕事があります。誰かがそれに気づかなくても、自分は知っている。その誇りが、日々の丁寧な仕事を支えてくれます。

③ パズルのように“最適解”を見つける面白さ

限られた条件のなかで、安全・コスト・使いやすさ・省エネのバランスをとる。まるでパズルを解くように最適解を組み上げていく過程は、頭を使うのが好きな人にはたまらない面白さです。

④ 多様な建物・分野に関われる

住宅、店舗、オフィス、学校、施設……建物ごとに求められる電気設備は違います。案件のたびに新しい発見があり、飽きることがありません。経験を重ねるほど、引き出しが増えていきます。ひとつの製品や工法に縛られず、いろいろな建物の“正解”に出会えるのは、設計という仕事の大きな楽しみです。

⑤ 学びが尽きない

省エネ、再生可能エネルギー、EV、IoT。電気設備の世界は今まさに進化の真っただ中。新しい技術や基準を学び続けられるのは、成長したい人にとって大きな魅力です。

アッシュくんメモ:やりがいって、大きな瞬間だけじゃないんだ。「配線がきれいに納まった」「打ち合わせで良い案が出た」。そんな小さな“できた!”の積み重ねが、毎日をおもしろくしてくれるよ。

大変なところも、正直に

もちろん、いいことばかりではありません。納期に追われる時期もありますし、多くの関係者と調整しながら進めるむずかしさ、細部まで正確さが求められる緊張感もあります。法令や技術は年々アップデートされるため、学び続ける姿勢も欠かせません。

ただ、こうしたハードルを一つずつ越えて図面を仕上げ、建物が無事に完成したときの達成感は格別です。大変さと手ごたえは、いつも背中合わせなのです。

こんな人に向いています

  • コツコツと物事を組み立てるのが好きな人
  • 安全や品質に責任を持って向き合える人
  • 人と調整しながらチームで進めるのが苦にならない人
  • 新しい技術や知識を学び続けたい人
  • 目立たなくても、社会を支える仕事に誇りを感じられる人

ひとつでも当てはまるなら、電気設備設計はきっと長く続けられる仕事になります。最初から全部できる必要はありません。少しずつ経験を積みながら、自分らしい設計者へと育っていけばよいのです。

まとめ

電気設備設計者の1日は、“ひとりで図面と向き合う時間”と“チームで最適解を探す時間”で組み立てられています。目に見えない部分で人の暮らしと安全を支え、自分の設計が建物として街に残る。静かで確かな、大きなやりがいのある仕事です。大変さもありますが、それを越えた先の達成感こそ、この仕事の醍醐味。働くイメージが少しでもリアルに伝わっていれば幸いです。もし読んでいて「おもしろそう」と感じた瞬間があったなら、それはきっと、あなたに向いているサインかもしれません。

よくある質問

電気設備設計は残業が多いですか?

会社や時期によります。納期前は忙しくなることもありますが、近年はリモートワークや自由勤務制など、働き方を工夫できる環境も増えています。働き方の方針は職場によって異なるため、事前に確認するのがおすすめです。

1日中パソコン作業ですか?

図面作成や計算などデスクワークが中心ですが、打ち合わせや関係者との調整も多く、コミュニケーションの時間も少なくありません。案件によっては工事監理で現場に関わることもあります。

未経験でもやっていけますか?

電気の基礎知識や関連資格から段階的に力をつけていくのが一般的です。実務では一定の経験が求められる場面も多いため、関連職種や現場で基礎を積むと、設計への移行がスムーズになります。

リモートでも働けますか?

設計業務はクラウドやBIM/CADで進めやすいため、リモートや業務委託を取り入れる職場が増えています。ただし方針は職場ごとに異なります。

どんな性格の人が向いていますか?

細かい作業を丁寧に積み上げられる人、責任感の強い人、そして人と協力しながら進められる人が向いています。目立たない部分で社会を支えることに、やりがいを感じられるかどうかもポイントです。

チームで働くのですか、それとも一人で進めるのですか?

両方の側面があります。図面作成や計算は個人で集中して進めますが、意匠・機械設備・構造の担当者や施主、現場との調整も多く、チームで一つの建物をつくり上げていきます。「黙々と作業する時間」と「みんなで練り上げる時間」の両方があるのが、この仕事の面白いところです。

電気設備設計の面白さを一言でいうと?

「目に見えないものを設計して、建物に命を吹き込む」ことです。完成すれば当たり前のように電気が流れ、人々が快適に過ごす。その裏側を自分の手で描ける、奥深い仕事です。